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リバーサルの色
日時: 2004/06/18 16:14
名前: だむだむ団

 K社のフィルムの中では演色性が少ないと聞いたEPNを使っています。少し濃いめの仕上げにしようとアンダー気味に撮ると全体にマゼンタが強く発色してしまいました。マゼンタが強くなる理由を教えてください。また、もっと自然な発色をするフィルムがあれば教えてください。
メンテ

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Re: リバーサルの色 ( No.1 )
日時: 2004/06/18 22:35
名前: イモ

「濃いめに仕上げようとアンダー気味に撮ると全体にマゼンタが強く」とあります。どのあたりにマゼンタが強くなっているのか不明です。しかし露光アンダーにするということは、適正露光でハイライト部の調子を持つ部分が、いく分濃く、中間部に近い濃さに再現される状態です。誇張した表現をするとそのような感じと思います。この段階ではじめてマゼンタが出てきたのでしょうか?
露光を変えてカラーバランスが変化するということは、適正露光の段階でもその兆候が見られるはずです。それは露光アンダーにしてマゼンタが強くなる濃さの部分が、適正露光の段階でも同じように出るからです。
グレースケールのようなものを撮影すると一目瞭然です。もしこのようなフィルムであれば、露光量にかかわらず、白からグレーのどこかに強いマゼンタが発色しています。

フィルムの発色は銘柄に関わらず、カラーラボの処理管理状態やフィルムの製造ロット番号などによって変動します。また撮影時の光源の色温度、周辺からの色反射、被写体固有の変則反射などによっても変化します。
常用フィルムは、一定期間分の使用量分(例えば半年間分)、同一ロット番号のものをまとめて用意します。大事なのはそのロット番号で使い続けるかどうかの判定を最初にします。それには、絶えず同じ撮影状態で再撮影ができる状態(特にライティング)と、カラーバランスが判断しやすい色調の被写体を組み合わせたものでテスト撮影する必要があります。このテスト撮影の被写体の中にグレースケールを入れるのは効果的です。

このようなテストをして、一定期間同一ロット番号のものを使うことにより、ロット番号の違いによるカラーバランスの違いかどうかを把握する必要があります。このテストしてフィルムを選択し、なにか異変があると思った時は、テスト撮影と同じ状態の撮影をして現像を依頼してみて下さい。
同じロット番号のフィルムを同じ状態で撮影して、大きくカラーバランスが異なれば、カラーラボの処理変動の可能性があります。この変動が大きいラボと付き合っているとすると、どんなにフィルムを変えても、カラーバランスの変動からぬけられなくなります。

写真の小部屋の書き込みに、白黒フィルム純正処理、純正仕上げはないというのあります。カラーリバーサルも同じです。フィルムが黄色い箱か、緑の箱かの色分けをして、依頼するラボを変えるカメラ店が多いのです。あるいは直接、色分けをしてラボに依頼しているでしょうか?
カラーラボの選択は、安定性と丁寧な仕上げです。大体、仕上がりが不安定で変動するラボの仕上げは、推して知るべしとなります。
使われたEPNのロット番号にカラーバランスの問題があったかどうか不明です。それが最初からあった現象なのか、途中から出た現象なのかわかりません。EPNは演色性というより、再現する彩度が低く設計され、中間色や無彩色の再現が自然なフィルムです。このフィルムに代わって自然な再現をするものを選択する場合、鮮やかな色再現をするフィルムを除いて、数種類のフィルムをテストして決めることです。
リバーサルに限りませんが、カラーフィルムは日によって、現像するフィルムの量が大きく変動する、また量が少なくなるなどによって、不安定な仕上がりになります。地域によっては、この現象が顕著となり、現像所の統廃合が行われ、今までと違ったラボで現像されることも出てきています。
一度ラボの安定性をチェックしてみて下さい。
メンテ
Re: リバーサルの色 ( No.2 )
日時: 2004/06/21 11:54
名前: だむだむ団2

イモ様 
 丁寧に回答していただきありがとうございます。いくつかの点について追記をいたします。

 これまで4×5ではE100Gを、ブロニーではEPPを常用していました。今年になり、自然な色具合と聞いたEPNを4×5で使ってみましたところ、白バックにマゼンタが目立っていました。試しに同じ条件(露光数値、ストロボの配置・出力等)で撮影したプロビアでは白バックでシアンがめだっており、どちらとも「白」が白くなりませんでした。(この際もすこしアンダー気味に撮影しました。)

 最近、EPNを使い撮影したところ、青空がやや赤みを帯びてあがってきました。この際の撮影が適正値(と思われる数字)よりおおよそ-1/3程度でした。オーバー側に露出を変えて撮影をしていないので、露光の変化による現象かどうか、把握できていません。

 質問のなかで「全体にマゼンタが強く」としたのは正確ではなく、白バックと青空、ともに被写体のバックで感じたことで、このことから全体にマゼンタが強くなっていると考えました。(たぶん、回答にあったグレースケールでの確認方法に近いのではと思いますが)

 ちなみに現像は当方で色分けを指示して出しています。経験的には、黄色を緑色に出すとなんとなく色がさえないような気がするのですが、  やはりラボの問題なのでしょうか。

メンテ
Re: リバーサルの色 ( No.3 )
日時: 2004/06/21 21:53
名前: イモ

ラボの問題か、フィルムの問題か、あるいは両方の問題かの判断は、同一条件で撮影したフィルムを多くの現像所に依頼し、その中でチェックをすると、ある程度原因が絞られてきます。
仮にラボの可能性が高くなったとして、問題は皆さんの近くに、適切と思われるラボがあるのか、あったとしてそこに依頼することが可能かという問題もあります。

色分けをしないと色がさえない気がするとありますが。現像によって変わるのは、微妙な感度、カラーバランス(全体及び、ハイライトからシャドー)などです。カラーバランスが色再現に影響することがあるとすると、強くなり過ぎたカラーバランスと補色関係の色再現です。例えば赤褐色の土器を写したフィルムが、現像処理によって全体がシアンに強くなったとします。すると土器の色は、シアンのバランスによって赤みが打ち消され、色味の乏しい再現となります。これは、あくまでもカラーバランスの問題で、様々な被写体の発色の全体がさえなくなるということはありません。

フィルムに問題なくとも、実際に依頼するラボで、そのフィルムの特性が発揮できなければ意味がありません。
既に何種類かのフィルムを使われていますので、それらのフィルムで撮影して、色分けにこだわらず双方に依頼して、最も良いバランスのフィルムとラボの組み合わせを選択されてはどうでしょうか。

ラボの統廃合について前回お話ししました。最近、ある地域では、日によってラボが自社で現像しないで外注する、日中は自社で現像しても、夜間で急ぎのものは外注するなどラボ同士が時間や曜日によっての相互乗り入れが行われていると聞きました。このような場合は、フィルムのスリーブやフィルムカバーは同じラボのものが使われるため、依頼した方では気付きません。このように複雑な様相となってきました。
メンテ

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